@ 人の体(成人男性)の60%は水分で作られています。体重が60kgとすれば、36kgが水分というわけです。水分量が全体の5%がなくなると脱水症状や熱中症の症状が現れ、10%で筋肉の痙攣や循環不全が起きてしまいます。高齢者は脳梗塞や心筋梗塞になったりします。ところが、普通に生活しているだけで、尿や便で1.6L(リットル)、呼吸や汗で0.9L、合計で2.5Lもの水分が体外に失われています。また夏の暑い日には大量の汗をかくため、一日に4L以上もの水分が失われることもあるのです。食事や体内でつくられる水分が1.5Lあるので、汗をかく夏場はあと2.5L(ペットボトル5本分)は水分補給が必要です。
A 水分補給なんかめんどくさいから、いっそのこと大量に飲んで、脱水しないようにすればいいんじゃない? というと、これもまたダメなんです。行きすぎた水分補給は、血液中のナトリウム濃度が低下して血液が薄まる状態「低ナトリウム血症」になってしまいます。そうなると、嘔吐や痙攣、意識混濁を引き起こす「水中毒」になり、最悪の場合、死んでしまうこともあります。
B 水分なら何でもいいか? というと、炭酸飲料・ジュース類はできるだけ避けるべきです。ペットボトル一本には、多い商品で糖分(砂糖)が、角砂糖12個〜16個入っています。健康維持のための水分補給が健康を害することになってしまいます。ミネラルウォーター、お茶、水で薄めたスポーツドリンク(ペットボトル一本に角砂糖5〜8個)など、健康に留意した飲み物にすべきです。